増税論のまやかし

 昨夜、NHK総合で「税」をテーマにスタジオ討論番組があった。
 いま日本が抱えている問題を解決するためには、消費税増税の是非などどうしたら良いのか、様々な意見が飛び交っていた。

 都合で番組のすべてを見ることは出来なかったが、総選挙での大きなテーマになる問題だけになかなかエキサイティングな議論だった。

 この間、政府与党は、増大する将来の社会保障費の財源として、「消費税増税やむなし」の世論づくりをマスコミも使いながら行ってきている。
 “社会保障費の自然増分のうち毎年2200億円削減”などは、小泉「構造改革」路線以来の代表的なそれだ。

 私は消費税増税はすべきでないと思っている。

画像 左の写真は、今年5月14日に東京で行なわれた、年金者組合の〝怒りの行動〟のものだが、老齢基礎年金しか受給出来ない人や、不安定雇用の場に追いやられ、食うや食わずでいる人の生活実態を知ってか知らずか、「低所得者にとっても消費税増税は、安定した社会保障の財源になるのだからタメになる」、などと平気で言える、“持てる者”“払えるゆとりのある者”の心根、したり顔が許せない。
 いささか感情的な物言いになるが、弱者を思いやれなくなった日本人の典型だ。

 スタジオの討論に参加していた、地方公務員であるというどこかの徴税吏員は、消費税増税には反対のカードを出していたようだったが、滞納者から税金を徹底して取るのが先決だという趣旨の発言をしていた。
 しかし、それも違うのではないか。
 払う能力があるのに払わない悪質な滞納者は別にして、滞納している多くの人は払いたくとも払えないことを知るべきだ。
 会津若松市の徴税吏員も情け容赦ない取立てをしている。財産調査をして1万円、2万円の貯金があったからと言って、それを差押える!
 1万円、2万円の預貯金が税金を支払える能力なのだろうか!?

 徴税吏員は、1ヵ月でもいいから、その人と同じ収入で、1、2万円の預貯金だけで生活し、住民税金や国保税、介護保険料、後期高齢者医療保険料を払う大変さを体験してみればいい。1ヵ月では分からない、足りないというのなら、3ヵ月、半年とやってみるがいい。宮仕えの職員の立場もわかるが、自分の行なっている仕事は、人間の心を持っていては、決して出来ないことだと気付くだろう。
 そういう仕事を職員にさせている首長にも同じことを言いたい。
 確かに納税は国民、住民の義務ではあるが、差押えなどの最終処分は相手の経済実態をしっかり掴み、場合によっては減免や不納欠損処理を早めに行うことが必要だ。
 いや、その前に現在の課税のあり方に無理があることを知るべきだ。
 無理がないと思うのであれば、マスコミなどにも知らせ、先に述べたことを“市職員低所得生活体験実験”として公開で行ってみればいい。

 話を戻そう。
 社会保障の財源がないと政府は言うが、その原因は歳出の4分の1近くを占めるムダな大型公共事業でつくった国債費の問題、更には消費税収入のほぼ全額に匹敵する大企業減税の問題にある。
 また、官僚の天下り先として特別会計を食い物にしている数多くの外郭団体の存在、軍事費を含め、アメリカと従属関係にあることでのムダ遣いも巨額だ。

 政府や増税論者のまやかしに乗ってはいけない。

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