沖縄の置かれた変わらぬ状況描く舞台 ~ こまつ座公演「木の上の軍隊」

 5月12日、紀伊國屋サザンシアターでこまつ座公演、井上ひさし原案・蓬莱竜太作・栗山民也演出「木の上の軍隊」を観ました。
 沖縄伊江島とおぼしきところが舞台で、終戦を知らずにガジュマルの大木の上に隠れ、2年もの間米軍が攻めて来ることに警戒し暮らしている二人の兵士(上官;山西惇、新兵;松下洸平)の姿を通して、現在の沖縄を見つめようとする作品です。
 井上ひさしさんの原案というのは、井上さんが亡くなるまでこの作品を書こうとしていていて叶わず、氏の娘さんでこまつ座代表の井上麻矢さんが、残された作品草稿2枚を蓬莱竜太氏に託して完成したという経過があるためです。
 3年ぶり、3回目の舞台だそうで、これまではどことは知れない島という設定だったが、今回の舞台では明確に沖縄が意識されるように作られたそうです。見ていて、太平洋戦争で本土の犠牲になった沖縄が、現在もまだ犠牲になっていりことに悲しさと怒りが湧いてきます。ガジュマルの精として登場する語る女(普天間かおり)の淡々とした表現と琉歌が、感傷的にならずに沖縄の現実を見よと言っているようでもありました。

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