「全会津民話祭り」に久しぶりに口演者として参加

画像9月12日、「第9回全会津民話祭り」が午前10時から市文化センターホールで行われました。南会津を除く会津各地の民話サークルが出演し、私も語り部サークル「七つの子」のメンバーとして久しぶりに口演者として参加しました。
台風18号が温帯低気圧に変わった後の大雨被害が関東・東北の各地に発生し、来場出来なかった方もおられたようですが、250名ほどのお客様があったでしょうか。皆さん、とてもいい反応で話を聞いておられ、出演者もそれぞれ話し甲斐があったのではないかと思います。
私が語った「狐にだまされたじいさま」を下に紹介します。

狐にだまされたじいさま
北会津村教育委員会編「北会津の昔話と伝説」から斎藤基雄が再話

昔々、あっただど。
今日も仙蔵じいさまは、町さ大根だのネギだの天秤棒で担いで売りさ行っただど。じいさまは、いっつも商いが終わっと、川向かいの町の店で、もっきり呑むのが何よりの楽しみであったど。
この日も商いを終えて店さ入ったじいさま、もっきりさ口運ぶと、グビッ、グビッ、グビッと喉鳴らし、
「クーッ、こでらんにぇ!」と旨そうに呑んで、この日のもっきりも一杯が二杯になり、じいさまはすっかり良い心持ちになったど。じいさまは、
「もう一杯呑みてえどごだげんじょ、続きは家さ帰ってばあさまとの楽しみにとっておくべ」ど、ばあさまの土産にニシンを一束買って、ほろ酔い気分で帰り足さついたど。
秋の日はつるべ落としどって、あっつう間に暗くなっちまった。
じいさまは、急いで大川渡って、蟹川の村から北に向かい、川崎の裏ぁ通って、ハンノキが4、5本生えて、ススキが茂って淋しいタカハシの近くまで来っと、若い姉様がじいさまの前になったり後になったりしながらついて来んだど。
「この女狐め、おれの土産狙っていやがるな。よし、ちっとかまってやってみんべ」と思ってじいさま、娘さ声掛けてみたど。
「若い姉様、どごさ行って来たんだ。」
そうしたら娘は、
「おねがよ。町さ行って来たのっし。遅くなって、物騒だがら、つねでってくなんしょ。」
なんつうんだど。
じいさまは、
「やっぱり狐だ。“れ”ど言わんにぇで、“おれ”のごど“おね”っつたり、“連れでって”のごど“連ねでって”ど言ってけづがる。やっぱり、おれのニシン狙っていんだな。」
ど思ったんだげんじょ、素知らぬふりで
「ああ、いいとも、いいとも。これも何かの縁だべな。ところで、姉さは年なんぼになっただ。」
と聞いてみた。そしたら娘は、
「あら、じいさま、若い娘さ年聞くのがよ。やんだおら。」
なんつうんだど。
「どごの村の姉さだ?」
「じいさまの近くの村だがらっし。」
「ふうん、見たごどねえげんじょも、若いみそらで夜なの歩いてるもんじゃねえぞ。」
なんつって、なんだかんだ話しながら歩いていだんだげんじょも、歩いても歩いても、ちーっとも家の近くになんねんだど。
「おがしねな…?」ど思って、じいさまが辺りを見回してみっと、どうも家とは反対の方さ来てんだど。じいさまは、
「いや、これはやらっちゃな。」ど思いながらも、
「なあ、姉さ。道、間違えっちまったみでだ。ちっと腰下ろして休んで行くべ。」
つて、草の上さ尻ついで、煙草さ火付けただど。そしたら狐は、
「ケン、ケーン!」
と鳴いたど思ったら、ニシンの束ど一緒に消えでいねぐなっちまっただど。
じいさまは、ほろ酔い気分もどごがさ吹っ飛んで、家さ帰って来たど。
ばあさまが戸んぼ口で待ってで、
「お帰んなんしょ。何だって今日は遅かったなし。」
つうがら、じいさま、帰り道のごど話してやったど。
そうしたらばあさま、
「まあまあ、それは難儀なごどだったなし。明日は赤飯でも作って、お稲荷さんに上げんべし。」
ど言ったど。
「ああ、んだな、それが良がんべ。」
そう言ったじいさま、今度からもっきりなのひっかけねえで、早く帰って来んべど思ったんだそうだ。
こんじぇ一つ栄え申した。


【訃報・弔意】篠原志郎さん(真宮新町南、78歳、様々お世話になりました。9月11日逝去、14日告別式)

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