斎藤もとおの見聞録

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zoom RSS 2020年度から「会計年度任用職員」制導入、公務労働の更なるブラック化≠招かないか!?

<<   作成日時 : 2018/06/03 18:01   >>

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 2017年7月、地方公務員法と地方自治法が改定され、2020年4月から自治体の非正規職員に「会計年度任用職員」が導入されることになりました。
 この法改定による新たな職員制度は、住民のいのちと暮らしを守り地方自治の担い手である地方公務員制度の大転換ですが、公務運営のあり方そのものをも、変質させる危険性を含んでいることがさまざま指摘されています。
 私は、この問題を6月定例会一般質問で取り上げようと、現在準備しているところです。会計年度任用職員制が法制化された経過や理由、質問の論点などについて紹介したいと思います。

総務省が説明する2つの改正法の概要

《地方公務員法の一部改正》
 地方の厳しい財政状況が続く中、多様化する行政需要に対応するため、臨時・非常勤職員が増加(17年度45・6万人→20年度49・8万人→24年度59・9万人→28年度64・5万人)しているが、任用制度の趣旨に沿わない運用が見られ、適正な任用が確保されていないことから、以下の改正を行う。

(1)特別職の任用及び臨時的任用の厳格化
@通常の事務職員等であっても、「特別職」(臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員等)として任用され、その結果、一般職であれば課される守秘義務などの服務規律等が課されない者が存在していることから、法律上、特別職の範囲を、制度が本来想定する「専門的な知識経験等に基づき、助言、調査等を行う者」に厳格化する。
A「臨時的任用」は、本来、緊急の場合等に、選考等の能力実証を行わずに職員を任用する例外的な制度であるが、こうした趣旨に添わない運用が見られることから、その対象を、国と同様に「常勤職員に欠員が生じた場合」に厳格化する。

(2)一般職の非常勤職員の任用等に関する制度の明確化
 法律上、一般職の非常勤職員の任用等に関する制度が不明確であることから、一般職の非常勤職員である「会計年度任用職員」に関する規定を設け、その採用方法や任期等を明確化する。

《地方自治法の一部改正》
 地方の非常勤職員については、国と異なり、労働者性が高い者であっても期末手当が支給できないため、上記(=地方公務員法改正)の適正な任用等の確保に伴い、以下の改正を行う。
○会計年度任用職員について、期末手当の支給が可能となるように、給付に関する規定を整備する。

非正規公務員の大量採用をしやすくする仕組みとの識者の指摘
 人事労務管理論、労使関係論を専門とする明治大学の黒田兼一教授は、「会計年度任用職員制度は、文字通り『会計年度』単位の有期任用の職員制度で、非正規公務員を正式に公認するもの」と述べ、「『現行法に照らすと採用要件に沿わず適正とはいえない運用が常態化している』との総務省の説明は、非正規という任用枠組みを新たに制度化することで、『適法化』を図っていこうというもので、非正規公務員をさらに大量に採用しやすいように制度を改定するものだ」と指摘しています。
 さらに黒田教授は、総務省が職員の分類を4つの領域(A領域=無期雇用の正規公務員・再任用職員・常勤職員に欠員が生じた場合の臨時的任用職員が就く本格的な業務でフルタイム勤務、B領域=任期付短時間職員・再任用短時間職員が就く本格的業務だがパートタイム勤務、C領域=会計年度任用フルタイム勤務員が就く本格的ではない業務のフルタイム勤務、D領域=会計年度任用パートタイム勤務員が就く本格的でない業務のパートタイム勤務)に分類していることについて、総務省の分類は、「『時間』と『仕事内容』で整理し、あたかも論理的・整合的に見えるが、これまでの職員任用制度の横に新しい非常勤職員の枠を設けたに過ぎない」と指摘しています。

新たな任用制度における懸念
 黒田教授は、新たな任用制度が及ぼす懸念として、
@限りなく非正規化が進行し、公務員が提供する住民サービスの質の劣化の危険性がある
A総務省は、「会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル」において、任期の定めのない常勤職員(=正規職員)を就けるべき業務を「典型的には、組織の管理・運営自体に関する業務や、財産の差し押さえ、許認可といった業務などが想定される」としており、これは、「公共サービスの提供者から公共サービスの管理者へ」、「船の漕ぎ手から舵取りへ」という考え方であり、正規職員は「管理者」と「舵取り」中心に限定し、それ以外は「非常勤職員」にしていこうという構想なのだろうとの見方を示しています。

労働契約法の脱法行為に等しい会計年度任用職員制度
 また、黒田教授は、「会計年度任用職員」が「全体の奉仕者」としての職務を全うするには身分保障の確保が必要だが、雇用不安を抱えたままで、「全体の奉仕者」としての業務全うはきわめて困難だと指摘するとともに、公務員には労働契約法が適用されないので、その第18条にあるような無期転換ルールもなく、今回の新制度はその第18条の脱法行為に等しい。労働契約法第18条に見合った何らかの措置の構築は喫緊の課題だと指摘しています。

 黒田教授の指摘や労働組合の見解なども参考に、官製ワーキングプア≠つくるなとの立場で議論をしたいと思っています。

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